"1976年に起きた「ベレンコ中尉亡命事件」でMiG-25の機体検証が行なわれた際、通信機を始めとする電子機器類に真空管が使用されていた事から「ソ連は遅れている」との評が立った。あるいは真空管は、EMP(Electric Magnetic Pulse―電磁パルス、核爆発に伴って発生する強い電磁波)耐性がICなどの集積回路に比べて高いとされるので、核戦争に備えたソ連軍の思想であったとも推測された。
しかし実際のところは、MiG-25が開発された当時は、まだトランジスタ技術が成熟しておらず、大電流に耐えられる製品は西側にさえ存在していなかったので、レーダーに大出力を求めた場合には単純に真空管しか選択肢が無かった。おかげで600kW(『週刊ワールドエアクラフト』2001/6/12号、P11より)の大出力を得たMiG-25のレーダーは、妨害電波に打ち勝つ能力を得ており、電子戦において極めて有利になっていた。"